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2006年 07月 29日
死者の書 (2005年 日本/70分) 監督・脚本:川本 喜八郎 製作:村山英世 アニメーション:及川 功一、森 まさあき 友情アニメーション:ユーリ・ノルシュテイン 人形:川本 喜八郎、保坂 純子 声の出演 藤原南家の郎女……宮沢 りえ 大津皇子……観世 銕之丞 魂乞の長老……三谷 昇 身狭乳母……新道 乃里子 大伴家持……榎木 孝明 恵美押勝……江守 徹 當麻の語部の媼……黒柳 徹子 語り……岸田 今日子 【あらすじ】 時は奈良。大和の文化と大陸から渡来した華やかな文化がせめぎ合い溶け合った時代。平城京では大伴家持や恵美押勝らが、やまとごころや漢土(もろこし)の才(ざえ)について論じ合っている。大貴族である藤原南家の郎女(いらつめ)は、当時の最も新しい文化――仏教に目覚め、称讃浄土経の千部写経を始めていた。彼岸中日の夕暮れ、郎女は荘厳な俤人(おもかげびと)が二上山の上にきらめき浮かび上がるのを見た。千部目の写経を果たした夕は雨、郎女はものに憑かれたように屋敷を出て、二上山のふもとまで来てしまう。そこは、女人禁制の当麻寺の境内である。 郎女は、この世への執心ゆえにさまよい続けている大津皇子の魂と出逢い、やがて皇子と俤人を重ねて見るようになる。郎女と皇子の魂は互いに惹かれ合い、郎女の一途な心は大津皇子のさまよえる魂を鎮めていく……。(公式サイトより) 【感想】 ある映画館でチラシを見てからずっと気になっていました。 川本喜八郎氏の人形アニメーション映画です。TVでの人形劇「三国志」や「平家物語」等が有名なのですが、そちらは見たことがありませんでした。辻村ジュサブロー氏の「新八犬伝」はよく見ていたのですが。 公式サイトなどであらすじを読んで、これを人形で表現するとどんな感じになるのか興味がわいて観てみて、とにかく人形たちの細やかな動きに驚きました。 登場人物たちの仕草、身に纏っている着物の裾や髪の毛が風になびいたり・・・ 人形劇独特の動きには違いないのですが、そのある種のぎこちなさと物語自体の不思議さが非常によく合っています。 そして見ているうちに、無表情な人形たちの顔に表情が現れていると思えてくるし、妙に「色気」を感じてしまいました。何なんでしょう、この感覚。 ただそんな風に感じてくると、やはりこの物語は生身の人間が演じるのではなく、いわゆるアニメでもなくて「人形劇」だったというのがしっくり来ます。 先日から原作の小説も読み始めました。まだ途中。 長い小説ではないのですが、旧仮名使いが混じっているしストーリーが錯綜しながら進んでいるようで私にとっては難関です。 内容が内容だけに映画で消化できていない部分が小説を読むことで多少なりとも理解できるようになるかどうかは全く自信がありませんが、ただ読んでいると引きずり込まれていくような想いに囚われることがあります。 怖い、と思うこともあるのにしんと静まりかえった真夜中に読みたくなるような本です。 「死者の書/身毒丸」 折口信夫(中公文庫) うう~ん、ほとんど映画の感想になっていませんねえ。 映画の方は8月に第七藝術劇場でまた観ようかと思っています。 2006年7月29日:神戸アートビレッジセンター
by kotaro_27149
| 2006-07-29 23:38
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