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2006年 02月 14日
ベルベット・レイン
(2004年 香港/85分) 原題:江湖 Jiang Hu 監督:ウォン・ジンポー(黄精甫) 出演:アンディ・ラウ(劉徳華)、ジャッキー・チュン(張學友)、ショーン・ユー(余文樂)、エディソン・チャン(陳冠希)、ン・シンリン(呉倩蓮) 【あらすじ】 大ボスの暗殺計画の噂が流れた夜、野心家の弟分は彼に引退を迫るとともに、配下のボスたちの粛清に乗り出す。一方、若者たちは暗殺用の拳銃を求めて夜の街を駆ける。固い絆で結ばれながら互いに疑惑を抱く二人の大物と、熱い友情で結ばれていく二人のチンピラ。性格も行動もそれぞれ対照的な二組。彼らの運命はどのようにして交わるのか? 初見時と印象はそれほど変わらなかった。主役の4人を見て楽しむにはすごくいい。 長めの髪と落ち着いた立ち居振る舞いがさまになる、アンディの余裕たっぷりの男の色気。つんと突っつくと爆発してしまいそうなギリギリな焦燥感が滲み出ているジャッキー。絵に描いたようなチンピラで、でも時おり見せる不敵な笑みでこの男はただのチンピラでは終わらないだろうと思わせるエヂのことを見直した。そしてショーンのあの目!序曲の時もなんて綺麗な目なんだろうと思っていたけど、ここでは瞳が一段と黒く深く見えてついつい見とれる。 と役者を見るのにはいいんだけれど、映画全体から受ける印象が器に比べて中身がてんこ盛りすぎたという感じ。入れ物(ストーリー、脚本等)は普通のお鍋なのに入っている食材(役者、セット、美術関係)がすごく豪華そして大量で鍋からあふれ出しそう。食材も無駄になってしまうし、鍋そのものもはちきれてしまいそうだ。才能がある新人監督ということで周囲が応援し盛り立てようとするのはいいと思うけど、なんだか見ていて妙にアンバランスな印象を受ける。 あと宣伝文句の「第2の王家衛」はちょっとどうなの。どちらがいいとか悪いではなく、タイプが違うと思うのだけど。カメラが揺れて美術関係がオサレでストーリーが分かりづらいからそう言われるんだろうか。 年季が違うんだから比べちゃかわいそうなんだけど、カーワイは自分の好きなことを好き勝手にやってそれを「さあどうだ」と見せる。観るほうがどう思おうが知ったこっちゃない。でもこの監督はこれを観る限りでは、「人にどう見られるか」をすごく意識してる。見ようによってはそれが鼻についてしまうのがちょっと辛い。 なんか文句をいろいろ言ったけど私はこの映画けっこう好き。だからなんだか、惜しいなあというか、もったいないというか。もう少し・・・うーん・・・荒削りでもいいからシャープと言うか緊張感を研ぎ澄ませるような感じが欲しかった。映画は短いのに中盤でだれてしまったので。 まあでもこれからに期待という感じでしょうか。若い力で香港電影界を盛り上げてください。 そして分からない所は2回観てもやっぱり分からなかった(ネタバレあります) イック=ホン、ターボ=レフティがこの映画のオチなんだけど、実は別人で時代が巡ってもまた同じようなことが繰り返されているっていう読み方をしてる人もいて、なるほどそれも面白いかも。 集団で襲撃してきたのは3人の中ボスの差し金で、ヒゲの人は携帯で止めようとしていたけど結局とめられなかったってことでいいんですかね。それと、レフティが「あのガキをよこせ」と言っていたけど、その「ガキ」は一番最後に走って来た人? ホンとレフティがレストランで話している時、画面がぐらぐらしてたのは目の錯覚じゃなかったんだ。(笑)最初観た時は仕事帰りだったんで、目が疲れてるのかな~めまいがしてるのかな~と思ってたけど、やっぱり揺れてた。しかもカメラじゃなくてテーブル自体が揺れていた。あれは何の演出だったのか・・・ それにしても、ホンは「根こそぎにする」と言うレフティをたしなめながら、中ボスの内の一人はきっちり子供まで殺させてから止めに入ったんだよね。レフティに手を汚させておいて、自分は残る2人の中ボスからは感謝させるように仕向ける。ああ、なんて酷い男なんだ。レフティ、あんたそれでいいのか?と聞きたくなるけど、彼はどうやらそれでもよかったらしい。なんたって最後は無理心中(と私は思っている)してしまうんだから。 2006年2月11日:CINEMAしんげき
by kotaro_27149
| 2006-02-14 01:14
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