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2009年 06月 19日
(2007年 香港/88分) 原題:蝴蝶飛 監督:杜[王其]峰(ジョニー・トー) 脚本:岸西(アイヴィ・ホー) 出演:周渝民(ヴィック・チョウ)、李冰冰(リー・ビンビン)、黄又南(ウォン・ユーナン)、尤勇(ユウ・ヨン)、林雪(ラム・シュ)、張耀揚(ロイ・チョン) 大学のバスケット部に所属するアトン(ヴィック・チョウ)は女子学生達に大人気、ミスキャンパスの彼女もいる。そんなアトンにエンジャ(リー・ビンビン)も密かに惹かれていた。やがて2人は付き合い始めるが、ある日喧嘩をしている最中にアトンは交通事故にあい還らぬ人となってしまう。 3年後エンジャは弁護士事務所で助手として働きながら、精神科医に通い精神安定剤に頼り3年前のことを忘れようとしていた。薬に依存し過ぎることを心配した医者から薬を止められて数日たったある晩、エンジャの前にアトンが姿を現し「質問に答えろ」と彼女に詰め寄る。 3年前のあの日と同じように。 ああこれは何と言うか、良い方に裏切られました。 突然死んでしまった青年がこの世に一人残した恋人のことが気がかりで、彼を忘れられず嘆き悲しむ彼女の前に現れるという、どこかで聞いたような話だな・・・と思いながら見始めたのですが想像したものとは少しばかり様子が違う。 アトンは口論の最中に死んでしまったのでその時のエンジャに対する思いを引きずったまま、というのもあるんだけど他にもとても気にかかることがあった。それは短かった彼の人生の大部分を埋め尽くしていた“ある想い”。彼がエンジャの前に姿を現したのはこっちがメインの理由じゃないかと思えるくらい。 そして最初は気が強いしイヤな女だなあと思っていたエンジャ。 彼女のキャラがずっとこの調子だと見続けるのは辛いかと思ったんだけど、アトンが姿を現してから彼女は少しずつ変わっていく。もともと気が強くて3年前につき合っていた頃には素直になれなかったのに、幽霊になってしまったアトンに対して彼女は誰にも(たぶん精神科医にも)言えなかった思いをぶちまけ、彼の話にも耳を傾けるようになる。 そして初めて知る彼の心の傷。 初めこそ泣いたりわめいたり、そうでない時は硬い表情だった彼女の雰囲気が少しずつ柔らかくなっていく様子は見ているこちらもほっとします。 アトンはエンジャの前に姿を現し、ずっと心残りだったことに決着をつけていく。 彼の思いはエンジャの心も開放しその彼女を通して他の人へも広がっていく。 どうして生きているうちにそれが出来なかったのか。チャンスはいくらでもあったはずなのに。 明日が来ると信じて漫然と過ごす日々の中でも伝えるべき思いはきちんと伝えておかないと。 死んでしまった者も残された者にとっても、それはきっと同じなのですよね。 (と分かっていてもなかなか出来ないのが現実なんだけど) 邦題と以前ちらっと読んだあらすじで変な先入観があったのだけど観てよかった。 なのですが個人的に残念なのは舞台は香港なのに全員北京語しゃべってること(泣) 主演の2人が大陸と台湾の方だからでしょうか? あと残念なのはその主演のヴィック・チョウがねえ・・・ 今まで彼のドラマも映画も見たことが無く(歌ってるのも聞いた事が無い)これがお初だったので、元々こういう感じなのかどうかは分からないけど、少なくともこの映画では彼の魅力は私には伝わらなかったようです。 という訳で映画自体は好きなのに主演俳優がちょっと・・・というなんとも微妙な状態になってます。
by kotaro_27149
| 2009-06-19 23:30
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